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MSP430 XCAP設定を動作中に切り替え可能か?

製作中の温度ロガーですが、内蔵時計 (RTC: Real Time Clock) をプログラムで実現しています。WDT (Watch Dog Timer)で、1秒毎のインターバル割り込みでカウントアップさせ、すぐさまLPM3モードに移行させる事で、コイン電池(CR2032)での長期間動作が可能になっています。 この時計、遅れ/進みはあります。
MSP430は、32K水晶の負荷容量をチップに内蔵しています。またその容量値をレジスタ設定で4種類に可変出来ます。
5pFの設定にしたら、一日あたり5秒ほど遅れる時計になりました。そこで、1pFに設定を変えた所、今度は一日5秒位進む時計になりました。

さて、アイデアですが、この状況で、例えば毎日 12時間だけ5pFに設定し、次に12時間 1pF設定にすれば、遅れ・進みは相殺されて、トータルとしては見かけの時計精度を上げられるのではないでしょうか?

水晶発振回路の負荷容量は、一般的に発振余裕度を考慮して、回路とのマッチングを見た上で決定します。コロコロ変えるなどとんでもない。と、教科書的な答えとしてはそうです。しかし、趣味の電子工作ならば、試してみても面白いのではないでしょうか。

この疑問、TI の e2e コミュニティの英語の方で質問しています。
Can I change XCAP setting while running MCU ?

MSP430 で温度ロガー 製作中

昨年末頃より、MSP430G2553 を使って秋月 Cタイプ基板に収まる温度ロガーを製作中です。

MSP430 温度ロガー基板 プロトタイプ
MSP430 温度ロガー基板 プロトタイプ

I2C温度センサーIC、STTS751 で温度を測り、シリアルEEPROMに書き込むことで数日間の記録を取り、あとでシリアル (USB-UART I/F)を接続してデータを読み出す仕組みです。

USB-UART I/F (CP2101基板, aitendo) を接続しているところ
USB-UART I/F (CP2102基板, aitendo) を接続しているところ。 右の 4pin SIPソケットはマイコンに書き込み・デバッグ用。

回路図は・・・全部 罫線で書いたテキストファイル! (^-^;;;)

回路図 (1/2)
回路図 (1/2)

回路図 (2/2)
回路図 (2/2)

MSP430 Launchpad ジャンパをDIP-SWで代替

MSP430 Launchpad でプログラミングしているとき、LPM3 の低消費モードに入れた場合に、「ちゃんと消費電流落ちているかな? コイン電池で動かすと何mAくらいかな?」と確かめたい場合があります。
その場合は、ターゲット部とエミュレータ部を接続しているジャンパプラグを全部取る必要があります。
これが、まぁ小さいし、頻繁に取り外しをしているうちに飛ばして紛失してしまったりと、色々不便なので、ジャンパ部の接続/切断を簡単にできるよう、DIP-SWで置き換えてみました(写真、基板裏面):
MSP430 Launchpad jumper to DIP-SW

写真の基板は rev.1.4 であり、TXD-RXDの接続をクロスさせないといけないので、その2本の信号はヒネッてつなげています。
また、VCCだけはスイッチでなく、表面のジャンパで接続/切断するよう、残してあります。DIP-SWが裏面にあることを忘れてしまい、「動かない!」と慌ててしまった事があり、オモテ面で接続/切断状態が目に見えるものをあえて残しておこうという意図です。

MSP430 Launchpadを使った I2Cデバイス アクセスツール

I2Cデバイスはマイコン周辺の機能拡張に便利ですが、チョット試しにアクセスして挙動を見てみる、といったことが気軽に出来ません。
シリアル端末から簡単にread/writeを試せるツールを作りました。

i2c-access-tool

内容は以下:

MSP430 LaunchpadによるI2Cアクセスツール-web (トラ技通信 投稿原稿ほぼそのまま)

公開ソース類はこちら。

MSP430 Launchpad の Rev. 1.4 と 1.5 の違い

espyの日記:Launchpad の密かなアップデート
このスラド日記に書いた内容だが、改めて。 追加情報もあり。

MSP430 Launchpad は、途中で 同梱チップが変っている。
同梱チップの新/旧と、その仕様概要は以下の通り。

msp430-Lpad-old-new

そして、基板の版数も Rev. 1.4 → Rev. 1.5 と変っている。

Rev.1.5に変ったのは2012年。 この基板の更新と、同梱チップの変更とは、同時に行われているそうだ。(TIの営業さんに尋ねて確認した)
またRev 1.5以降は、パッケージの箱の表面に貼られたシールに書かれており判別ができる。

特に気になるのは、エミュレータ部にある UART機能と、マイコンチップの TXD/RXD信号との対応。
LaunchPadは、USBケーブルで Windows PCと接続すると、デバイスマネジャのポートに「Application UART(COMx)」といったポートが現れる。これはその名の通りCOMポートであり、TeraTermなどを使えばターゲットマイコンとシリアル通信が可能だ。
だが、マイコン側では UART機能は、上の表の 4種類のチップのうち、MSP430G2553 にしか内蔵されていない。 ただ、Launchpadのソケット自体は 20pinなので、 Rev. 1.4以前の基板にも G2553を刺して使用できる。
ところが残念な事に、エミュレータのUART機能の TXDと、G2553を刺した場合の RXDとが対応しておらず、両者のTXDどうしがぶつかっているのだった。

Rev.1.5基板ではこの点が改良されている。そのまま使うと、TXD同志,RXD同志がぶつかってしまうのは同様なのだけれど、 エミュレータ部とターゲット部をブリッジしているジャンパピンのところで、普通は縦向きに差し込むジャンパを、TXD/RXDの所だけ横向きに刺すことで、TXD/RXD信号をクロスさせることができるようになっている。

Rev.1.4では、マイコン側でソフトウェアUART (BitBang方式とも呼ばれている)を使って、エミュレータ部とシリアル通信するサンプルプログラムなどもあるので、Rev.1.5では Rev.1.4と互換を保ちつつ、クロス接続もできるという仕掛けにしたようである。 この点はよく考えられている。

FM音源チップ ガチャガチャ まとめ

秋葉原で煩悩買い。
ラジオデパートに、往年のFM音源チップを販売しているカプセル自販機がある。
FM音源ガシャポン
→ 写真

型番だけではどれがどんなものなのか、わからないので、
Wikipediaなどから主要な情報をピックアップしてみた。

───────────────
●置いてあるガシャポン機の販売チップ品種
・ガシャポン機 左上 8品種+"?" (2013-9-21現在 売り切れ状態)
YM2203-C, YM2610, YM2414B,
YM2608B, YM2612, YM3812
YMF288-F, YM2151, 「?」

・ガシャポン機 右上 3品種
YM2151, YM3012, YM3014-B

・ガシャポン機 左下 (2013-9-21現在 売り切れ状態)
ニキシー管。「中華人民共和国産 SZ-8」

・ガシャポン機 右下 2品種
YM2608B, YM3016D

●各チップの概要
YM2203
OPN (FM Operator type - N)、最もポピュラーだったFM音源チップ。
4オペレーター、同時発音数 3音のFM音源、、および同時発音数3音のSSG(PSG)を搭載。
(以下、FM 3ch + PSG(SSG) 3ch のように記載)
D/Aコンバータとして主にYM3014を組み合わせる。
PC-6000/6600/8000/8800/9800シリーズ、EPSON PCシリーズ、FM-7シリーズ、MZ-2500シリーズなどに搭載された。

YM2610
OPNB。
4オペレーター、FM 4chステレオ + SSG 3ch + ノイズ 1chステレオ + ADPCM 6+1chステレオ
ネオジオ(SNKの家庭用ゲーム機)で使用。

YM2414B
OPZ。
4オペレーター、FM 8chステレオ
YAMAHA TX81Z(音源モジュール) および V2(DX11、キーボード)ほかで使用。

YM2608B (64pin SDIP)
OPNA。 YM2203の拡張版で上位互換性あり。
4オペレータ、FM 6chステレオ + リズム6chステレオ + SSG 3ch + ADPCM 1chステレオ + ノイズ1ch
PC-8800/9800シリーズ等に搭載された。
DACにはYM3016(ステレオ)を使用。

YM2612
OPN2。
4オペレータ、FM 6chステレオ
メガドライブ、FM-TOWNS等に搭載された。

YM3812
OPL II。
2オペレータ FM 9ch または 6ch + リズム5ch
Sound Blasterで使用。

YMF288-F
OPN3-L
4オペレータ FM 6chステレオ + リズム 6chステレオ + PSG3ch + ノイズ1chステレオ
満開製作所のまーきゅりーゆにっと、PC-9821等で利用されている。

YM2151
OPM
4オペレータ FM 8chステレオ
1980年中盤~1990年中盤のアーケードゲーム基板、X1・X68000、一部のMSXなどで使用。
特にアーケードゲームでは数多くのメーカーに広く用いられ、PCM音源との併用が多かった。
DACは YM3012(ステレオ)、YM3014(モノラル)などを組み合わせて使用する。

YM3012
浮動小数点DAC。 シリアルデータ入力。
YM2151, YM2164, YM2414 と共に使用される。

YM3014-B (8pin DIP)
浮動小数点DAC。 シリアルデータ入力。
YM2203 や YM3812 を含む多くの音源チップと一緒に使用された。

YM3016 (16pin DIP)
YM2608で使う ステレオDAC
───────────────

YM2203があるせいか、左上の販売機が売り切れ状態だったが、本当に音を出してみたい場合は、
右上の販売機で音源の YM2151と、DACのYM3012(ステレオ)/YM3014(モノラル)を入手するか、
右下の販売機で音源の YM2608とDACのYM3016(ステレオ)を入手すれば良いことになる。
右上と右下は、単なるコレクションでなく、使いたい人向けに結構良心的な組み合わせだった。

なお、設置してるお店は 家電のケンちゃん だそうで、ツイッターによると次の入荷は今月末だとか。
→ (9/22) 入荷しましたとのツイートあり。

トラ技通信 第2号に掲載された投稿: インダクタンス測定用簡易治具

トラ技通信 (CQ出版社)

第2号 (2013年7月1日発行)向けに投稿し、掲載頂いた原稿を、ほぼそのまま公開します。PDFです。
インダクタンス測定用簡易治具-web(PDF)


(2014/3/21追記)

スパムコメントが多いので全面的にコメント非許可にしておりましたが、普通のコメントを頂いたので、掲載します。

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(2014年3月18日 15:48 に投稿)

こんにちは
楽しく拝見させていただいております。

「インダクタンス測定用簡易治具」
を製作しようとしていますが、数式に疎く、
周波数からインダクタンスを求める計算がうまくいきません。

計算方法が合っているか、
PDF 表-1 「冶具回路によって測定した結果」
の実測周波数値で計算してみても、違うL値がでてしまいます。

L1=1/(4π²*f²*C)

のコンデンサーは500pFの500を式にいれればよいのでしょうか?
そともF(ファラッド)に換算して0.0005と入れるのでしょうか?
周波数も246KHzなら246と式にいれればよいのでしょうか?
また*は掛け算でよいのでしょうか?

部品箱に容量不明になったスピーカーネットワーク用コイルがいくつかありますので
インダクタンスを測定したいのです。
範囲は0.1mHから10mH程度です。

よろしくお願い申し上げます。

和歌山県 フジタ
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(2014年3月18日 17:13 に投稿)

すみません。
さきほど「インダクタンス測定用簡易治具」の件で質問させていただいたフジタです。
自分の間違いがわかり自己解決しました。

4π²の計算の仕方が違っていました。

4×3.14を2乗していたのが誤り

4×(3.14の2乗)=39.4384で計算すると上手くいきました。

ありがとうございます。
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既にお気づきのようですが、
f = 1 / (2 * π + √(L * C) )
を式変形した物で計算をします。

(参考:LC共振回路 (Wikipedia))

Lの単位は H (ヘンリー)、C の単位は F (ファラッド) ですので、
100pF なら 100E-12 (電卓的表記で) 、 100×10^-12 となります。
インダクタについても同様です。

簡易治具ですが、トランジスタは、fT が GHz帯まで対応している品種の方が、上手く行くようです。