MSP430 で温度ロガー 製作中

昨年末頃より、MSP430G2553 を使って秋月 Cタイプ基板に収まる温度ロガーを製作中です。

MSP430 温度ロガー基板 プロトタイプ
MSP430 温度ロガー基板 プロトタイプ

I2C温度センサーIC、STTS751 で温度を測り、シリアルEEPROMに書き込むことで数日間の記録を取り、あとでシリアル (USB-UART I/F)を接続してデータを読み出す仕組みです。

USB-UART I/F (CP2101基板, aitendo) を接続しているところ
USB-UART I/F (CP2102基板, aitendo) を接続しているところ。 右の 4pin SIPソケットはマイコンに書き込み・デバッグ用。

回路図は・・・全部 罫線で書いたテキストファイル! (^-^;;;)

回路図 (1/2)
回路図 (1/2)

回路図 (2/2)
回路図 (2/2)

MSP430 Launchpad ジャンパをDIP-SWで代替

MSP430 Launchpad でプログラミングしているとき、LPM3 の低消費モードに入れた場合に、「ちゃんと消費電流落ちているかな? コイン電池で動かすと何mAくらいかな?」と確かめたい場合があります。
その場合は、ターゲット部とエミュレータ部を接続しているジャンパプラグを全部取る必要があります。
これが、まぁ小さいし、頻繁に取り外しをしているうちに飛ばして紛失してしまったりと、色々不便なので、ジャンパ部の接続/切断を簡単にできるよう、DIP-SWで置き換えてみました(写真、基板裏面):
MSP430 Launchpad jumper to DIP-SW

写真の基板は rev.1.4 であり、TXD-RXDの接続をクロスさせないといけないので、その2本の信号はヒネッてつなげています。
また、VCCだけはスイッチでなく、表面のジャンパで接続/切断するよう、残してあります。DIP-SWが裏面にあることを忘れてしまい、「動かない!」と慌ててしまった事があり、オモテ面で接続/切断状態が目に見えるものをあえて残しておこうという意図です。

我々エンジニアにもできる、 「こんなこともあろうかと」

使うものがマイコンにせよ、FPGAにせよ、電子工作好きの人々の中には当然ながら現役のエンジニアがいる。古くはラジオ少年、無線少年の時代を経て、時代が変っても同じなのは、それなりの「技術」を応用して、何かを成し遂げる点にある。
今まで知らなかった物に触れ、できなかった事に取組む。調べても分かりにくかったり、習得に時間が掛かったりもするだろう。様々な困難を乗り越えた暁(あかつき)には、ついに、自分の手によって動く実物が目の前に現れる。今までは「できないこと」が「できること」に変っている。 それは何よりも喜びであり、自分の成長を実感できる瞬間でもある。

一方で、エレクトロニクスの開発の現場は、以前に比べて劣化の一途をたどっている。開発自体のオフショア化の推進により、国内の現場は空洞化が進んでいる。上司と部下、ベテランと若手といった関係で、徒弟制度のように設計やデバッグ手法が伝授され育てられていった以前に比べて、大企業ではコンプライアンス重視が進んで残業は制限されている。
指示された仕事だけをやっていればよい、それ以外を勝手にやるなんて行為はよろしくない、といった風潮が強まっている。現場で創造的に行動するエンジニアを見かけなくなったと感じている。

半導体などの部品を売り込みに来る営業さんと面会して話す機会がある。
以前はある傾向が顕著だった。売り込む部品 (商品)を、こちらが使う脈がありそうだと熱心に売り込むが、今現在は類似品を使っていないとか、使う可能性が少ないと分かると、途端に相手をしなくなる。 まぁ、商売で売り込みに来ているのだから、当然と言えば当然だ。無駄を省いて効率的に取れる商談をしたいのが本音だろう。

ところが最近、この傾向が変ってきたのかな? と感じる事がある。採用の見込みが少ない部品に関しても、結構丁寧に説明してくれたり、こちらの技術的質問に回答するなど、サポートしてくれたりするのである。

これは推測ではあるが、もう業界自体が、80年代、90年代のように、大量に製品開発して大量に売るという時代では無くなってきたから、各社部品営業も、たとえ小さな商談でも沢山取ろう。だから、たくさんの可能性に賭けて丁寧に売り込もう。そういう空気に変ってきたのだと思う。

半導体部品は、それ自体は高い物もあるが、安い物も多い。ARM Cortex-M0のマイコンが、もう100円前後とか、それ以下の値段で手に入る。FETやトランジスタなどの個別半導体はもっと安い。
しかし、簡単に使えるかというとそうではなく、知識や技術を必要とする。間違って使うと簡単に破壊する。 半導体メーカーが今までアマチュアに冷たかった(今も冷たい) のは、素人の質問に対応しきれないという実情があったのは間違いない。
一方で、そういう点を理解し、正しく使える相手は、ひょっとすると将来の優良顧客に化けるかも知れない。営業はそう考える事だろう。

このような環境の中で、我々エンジニアはどう振る舞うとよいのか。

ズバリ、「大いに利用しよう。」

目の前で開発されている機器の、もう何年も安定して動いているから、といって、改良しようなどと言うライバルは、いないのである。
(すごく沢山いるよ、という職場もあるかも知れない・・・そういう人は、恵まれています!)

こっそり改善案を考案し、実際に作って検証しておこう。そして、機が訪れたら、さっそうと出すのだ。
「こんなこともあろうかと」と言いながら。

MSP430 Launchpadを使った I2Cデバイス アクセスツール

I2Cデバイスはマイコン周辺の機能拡張に便利ですが、チョット試しにアクセスして挙動を見てみる、といったことが気軽に出来ません。
シリアル端末から簡単にread/writeを試せるツールを作りました。

i2c-access-tool

内容は以下:

MSP430 LaunchpadによるI2Cアクセスツール-web (トラ技通信 投稿原稿ほぼそのまま)

公開ソース類はこちら。

テレビがどうなれば欲しくなる、見たくなるか

もしもテレビCMが「個人化」したら

テレビをあまり見なくなったし、録画も全然しなくなった。
そもそも電波が入りにくいのに加えて、やれコピーワンスだの何だのと、録画も煩わしくなってきた。 話題のドラマも気にはなるが、不便になったので、触りたくなくなったのだ。
まぁNHKオンデマンドは毎月見放題を使っているし、テレビ東京ビジネスオンデマンドにも入っているので、ピンポイントで見たい番組は見る。
要は、こっちの生活時間を拘束されずに、好きなときに見れるならソレでいいのだ。

というわけで投稿:
かつてのモノが売れた「勝ちパターン」が最近は無いと言われて久しい昨今。
しかしiPhoneというお手本があり、その勝利パターンを見ると、製品の使い勝手のみならず、多くのレコード会社を説得してiTunesストアを構築した所にあります。
テレビに関して同じ事を考えると、「全ての放送局を説得して全番組をオンデマンドで観られるようにする」あたりではないでしょうか。これこそテレビの究極の個人化、実現すれば、あまちゃんも半沢直樹も見放題。でもこれをやろうとしない業界に、日本の限界を感じます。

解雇特区と言うが

“解雇特区”をごり押しする政治の論理と常識への疑念

解雇特区、などと言うが、働きの悪い従業員には辞めてもらう、という、一種の競争主義のようなものは必要なのではないだろうか。 リーマンショックの時、派遣の我々は一斉に切られ、回復してきた頃に再度採用頂けたのはありがたいが、 戻って見ると横には一日中 お菓子食ってる正社員様がいて、なんでこんな人間が安泰で、パフォーマンスを出そうと緊張感を持っている波面メンバーがこんな目に遭うんだろうか・・・と、思ったものでした。

投稿。

企業は市場の競争に晒される中で利益を上げる必要がある一方で、従業員は世代交代するため後進の育成が必要です。なので、社内ニートなど一人たりとも置いておけないというパフォーマンス重視の面もあれば、効率主義だけで生徒を扱えない学校のような面もあります。▼後輩を育てる行為は結果的には利益に貢献するはずですが、成果主義の採用のもと短期的には評価されないという理由で指導教育しなくなってしまったという弊害も実際起きたようです。▼私は技術職ですが、昔は先輩が残業時間につきっきりで教えてくれたりしたものです。最近は(コンプライアンス重視の風潮にあり)上下関係もドライに見えます。▼紹介されたSASですが、その内情からは社内での競争や圧力のようなものが感じられ、昔ながらの日本企業とは全然違うと思いました。日本の大企業は、派遣は簡単に雇ったり辞めさせたりしている一方で、正社員はポジション相応の働きをしていない人や遊んでる人に対して圧力も何もかからず何年もそのまま…という事例をよく見かけます。▼既に投稿意見にも出ていましたが、結局、個々の従業員をパフォーマンスをうまく評価できていないという現実があるように感じています。また、正社員を減らして派遣を使うのは、教育を面倒くさがる会社が増えている。

MSP430 Launchpad の Rev. 1.4 と 1.5 の違い

espyの日記:Launchpad の密かなアップデート
このスラド日記に書いた内容だが、改めて。 追加情報もあり。

MSP430 Launchpad は、途中で 同梱チップが変っている。
同梱チップの新/旧と、その仕様概要は以下の通り。

msp430-Lpad-old-new

そして、基板の版数も Rev. 1.4 → Rev. 1.5 と変っている。

Rev.1.5に変ったのは2012年。 この基板の更新と、同梱チップの変更とは、同時に行われているそうだ。(TIの営業さんに尋ねて確認した)
またRev 1.5以降は、パッケージの箱の表面に貼られたシールに書かれており判別ができる。

特に気になるのは、エミュレータ部にある UART機能と、マイコンチップの TXD/RXD信号との対応。
LaunchPadは、USBケーブルで Windows PCと接続すると、デバイスマネジャのポートに「Application UART(COMx)」といったポートが現れる。これはその名の通りCOMポートであり、TeraTermなどを使えばターゲットマイコンとシリアル通信が可能だ。
だが、マイコン側では UART機能は、上の表の 4種類のチップのうち、MSP430G2553 にしか内蔵されていない。 ただ、Launchpadのソケット自体は 20pinなので、 Rev. 1.4以前の基板にも G2553を刺して使用できる。
ところが残念な事に、エミュレータのUART機能の TXDと、G2553を刺した場合の RXDとが対応しておらず、両者のTXDどうしがぶつかっているのだった。

Rev.1.5基板ではこの点が改良されている。そのまま使うと、TXD同志,RXD同志がぶつかってしまうのは同様なのだけれど、 エミュレータ部とターゲット部をブリッジしているジャンパピンのところで、普通は縦向きに差し込むジャンパを、TXD/RXDの所だけ横向きに刺すことで、TXD/RXD信号をクロスさせることができるようになっている。

Rev.1.4では、マイコン側でソフトウェアUART (BitBang方式とも呼ばれている)を使って、エミュレータ部とシリアル通信するサンプルプログラムなどもあるので、Rev.1.5では Rev.1.4と互換を保ちつつ、クロス接続もできるという仕掛けにしたようである。 この点はよく考えられている。

10/5 sat.分。 BTRON Club 97th例会

健先生クラブ 97th.例会。

郷田さん、8月に出た FM3 USBスティックボードでもう発表ネタに。微妙ではあったが、私なんか買ってそのままだったので、タイムリーな実行は尊敬する。
木元さんの自作PDAが凄すぎた。基板むき出し(^^;;)。
発表は最初、何を言っているのか分からなかった。(この人天才肌か?) 実身・仮身のようなリンクを、ファイル単位ではなく、もうテキストの行単位でやってしまおう、という感じか。もうマウスで右クリックなども無しで、あっちとこっちの文字列にリンク関係ができる。見た目は分かりにくいのだけれど、思考を妨げないという点では、むしろこういうツールこそがニーズにマッチするのかもと感じた。
先生からは、「ファイルという概念は良くないという考えもある。 それでもファイルの概念が勝ち残ってしまったのはなぜかという深い問いもある」とのコメント。
(参考書籍:「人間はガジェットではない (ハヤカワ新書j」、既に絶版)
茨木さんの発表は、BTRON 2.0に関する先生の今までの発言をまとめていて議事録的価値があるありがたいもの。 正直、先生の2.0発言は、聞いているだけではイメージが沸きにくかった所が、発表中の先生とのやりとりも合せて、お陰でどんなものになるのか、イメージが想像しやすくなった。
「BTRONクラブという名前なのにBTRONの話題は避けている」がツボすぎた。

今年も、この10月の回は純米大吟醸 杉勇も頂けて、楽しい時間を過ごせました。

FM音源チップ ガチャガチャ まとめ

秋葉原で煩悩買い。
ラジオデパートに、往年のFM音源チップを販売しているカプセル自販機がある。
FM音源ガシャポン
→ 写真

型番だけではどれがどんなものなのか、わからないので、
Wikipediaなどから主要な情報をピックアップしてみた。

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●置いてあるガシャポン機の販売チップ品種
・ガシャポン機 左上 8品種+"?" (2013-9-21現在 売り切れ状態)
YM2203-C, YM2610, YM2414B,
YM2608B, YM2612, YM3812
YMF288-F, YM2151, 「?」

・ガシャポン機 右上 3品種
YM2151, YM3012, YM3014-B

・ガシャポン機 左下 (2013-9-21現在 売り切れ状態)
ニキシー管。「中華人民共和国産 SZ-8」

・ガシャポン機 右下 2品種
YM2608B, YM3016D

●各チップの概要
YM2203
OPN (FM Operator type - N)、最もポピュラーだったFM音源チップ。
4オペレーター、同時発音数 3音のFM音源、、および同時発音数3音のSSG(PSG)を搭載。
(以下、FM 3ch + PSG(SSG) 3ch のように記載)
D/Aコンバータとして主にYM3014を組み合わせる。
PC-6000/6600/8000/8800/9800シリーズ、EPSON PCシリーズ、FM-7シリーズ、MZ-2500シリーズなどに搭載された。

YM2610
OPNB。
4オペレーター、FM 4chステレオ + SSG 3ch + ノイズ 1chステレオ + ADPCM 6+1chステレオ
ネオジオ(SNKの家庭用ゲーム機)で使用。

YM2414B
OPZ。
4オペレーター、FM 8chステレオ
YAMAHA TX81Z(音源モジュール) および V2(DX11、キーボード)ほかで使用。

YM2608B (64pin SDIP)
OPNA。 YM2203の拡張版で上位互換性あり。
4オペレータ、FM 6chステレオ + リズム6chステレオ + SSG 3ch + ADPCM 1chステレオ + ノイズ1ch
PC-8800/9800シリーズ等に搭載された。
DACにはYM3016(ステレオ)を使用。

YM2612
OPN2。
4オペレータ、FM 6chステレオ
メガドライブ、FM-TOWNS等に搭載された。

YM3812
OPL II。
2オペレータ FM 9ch または 6ch + リズム5ch
Sound Blasterで使用。

YMF288-F
OPN3-L
4オペレータ FM 6chステレオ + リズム 6chステレオ + PSG3ch + ノイズ1chステレオ
満開製作所のまーきゅりーゆにっと、PC-9821等で利用されている。

YM2151
OPM
4オペレータ FM 8chステレオ
1980年中盤~1990年中盤のアーケードゲーム基板、X1・X68000、一部のMSXなどで使用。
特にアーケードゲームでは数多くのメーカーに広く用いられ、PCM音源との併用が多かった。
DACは YM3012(ステレオ)、YM3014(モノラル)などを組み合わせて使用する。

YM3012
浮動小数点DAC。 シリアルデータ入力。
YM2151, YM2164, YM2414 と共に使用される。

YM3014-B (8pin DIP)
浮動小数点DAC。 シリアルデータ入力。
YM2203 や YM3812 を含む多くの音源チップと一緒に使用された。

YM3016 (16pin DIP)
YM2608で使う ステレオDAC
───────────────

YM2203があるせいか、左上の販売機が売り切れ状態だったが、本当に音を出してみたい場合は、
右上の販売機で音源の YM2151と、DACのYM3012(ステレオ)/YM3014(モノラル)を入手するか、
右下の販売機で音源の YM2608とDACのYM3016(ステレオ)を入手すれば良いことになる。
右上と右下は、単なるコレクションでなく、使いたい人向けに結構良心的な組み合わせだった。

なお、設置してるお店は 家電のケンちゃん だそうで、ツイッターによると次の入荷は今月末だとか。
→ (9/22) 入荷しましたとのツイートあり。

正社員じゃないと 「一丸」になれないのか?

“会社の自殺”が進むこの国の愚行とANA正社員化の英断 非正規という雇用形態がもたらした損失の計り知れない大きさ (NB online)

正規か、非正規かと、仕事に対するプロ性や能力の出し方とは、関係がないと思う。


『企業にとっては単なる「雇用形態の違い」でも、働く側からしたら、「アナタは集団に入れてあげない!」と言われているようなもの。
だから、正社員のことを“社員さん”と呼んでしまうのだ。』
── 日頃「社員さん」と呼ぶ側の立場として、情報や裁量で制限がかけられ疎外感を感じている立場として、本記事の本質はまさにここだ、と感じましたが、
それと同時に「いや、ちょっと待てよ」とも思いました。
例えば、依頼されて音楽を作る作曲家はプロフェッショナル性を発揮していないのでしょうか。依頼を受けて要人警備をするガードマンは命を預かっていないでしょうか?
雇用形態と、プロとして職能を発揮する/しないには相関関係はありません。有期契約を何回も更新して何年も同じ派遣先に就業している人も数多くいます。非正規でも正当な評価・昇進昇給の機会が与えられれば"一丸となれる"でしょうし、一方で正社員でありながら残業は避けたい、仕事と距離を置きたい人もいるでしょう。要は「同一労働同一賃金」のもと、多様な働き方が正規・非正規どちらにも許容されるのが、あるべき姿ではないでしょうか。それを拒んでいるのは既得権の中で安泰でいたい、(一部の)正社員の方々に他なりません。